そもそも経年変化とは?木材の色や表情が変わる理由



木材を使った家具や床、壁、ウッドデッキなどは、使い始めたときと、数年後では少しずつ表情が変わっていきます。
「木の色が変わってきたけれど、これは劣化?」
「屋外の木材がグレーになってきたけれど大丈夫?」
「無垢材は時間が経つとどんな風に変化するの?」
天然木を使うと、このような疑問を持つこともあるのではないでしょうか。
木材は、時間の経過とともに色や艶、質感などが少しずつ変化します。
こうした時間による変化を、一般に「経年変化」と呼びます。
目次
- そもそも「経年変化」とは?
- 木材の色はなぜ変わる?
- 屋外の木材がシルバーグレーになるのはなぜ?
- 「経年変化」と「劣化」は同じではない
- 経年変化は樹種や環境によって違う
- レッドシダーの経年変化
- 経年変化を楽しむために
- まとめ
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そもそも「経年変化」とは?
経年変化とは、時間が経つことで、素材の色や質感、風合いなどが変わっていくことです。
木材の場合、日光や空気、湿度などの影響を受けながら、少しずつ表情が変化していきます。
例えば、室内の無垢材では、
- 色が少しずつ濃くなる
- 木の色合いが落ち着いてくる
- 表面に艶が出てくる
といった変化が見られることがあります。
屋外で使われる木材では、
- 紫外線によって色が変化する
- 雨や湿気、乾燥の影響を受ける
- 表面が徐々に風化する
など、室内とは異なる変化が起こります。
同じ木材でも、どこで、どのように使われているかによって経年変化の仕方は異なります。
木材の色はなぜ変わる?
木材の色が変化する大きな要因のひとつが、光です。
木材の色は、木材そのものが持つ成分によって生まれています。主な成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンのほか、樹種によってさまざまな抽出成分が含まれており、これらが木材特有の色や風合いに関係しています。
なかでも、リグニンや抽出成分は光の影響を受けやすく、特に紫外線を吸収すると化学反応を起こします。
紫外線を受けると、木材の表面で何が起こる?
紫外線のエネルギーを吸収すると、木材中の成分が励起され、光化学反応が起こります。
その後、空気中の酸素なども関わることで酸化反応が進み、リグニンなどの構造が変化します。
こうした反応によって、木材表面にある色に関係する成分の状態が変わり、木材の見た目の色も少しずつ変化していきます。
イメージすると、
紫外線を受ける
↓
木材中の成分が光を吸収する
↓
光化学反応・酸化反応が起こる
↓
木材表面の成分や構造が変化する
↓
見える色が変化する
という流れです。
さらに屋外では、紫外線だけでなく、雨や湿気、乾燥なども木材表面に作用します。
そのため、屋外の木材では、光による化学変化と風雨による表面の変化が重なりながら、時間とともに色や質感が変わっていきます。
なぜ最初は色が濃くなり、その後グレーになることがあるの?
木材の経年変化は、いつも一方向に同じように進むわけではありません。
木材に含まれる成分の種類や量、光の当たり方、雨にさらされる環境などによって、変化の仕方は異なります。
樹種によっては、使い始めてからしばらくの間に色味が濃くなったり、赤みや黄色みが変化したりすることがあります。
屋外で長期間使用すると、さらに紫外線や風雨の影響が加わり、表面の成分が変化・流出していきます。
こうした変化が重なることで、木材表面は徐々に明るく灰色がかった色合いへ変化していきます。
レッドシダーを屋外で無塗装のまま使用した場合に見られる、シルバーグレーへの変化もそのひとつです。
木材の色の変化は、単純に「色が抜ける」という現象ではありません。
木材に含まれる成分が光や酸素、雨などの影響を受け、表面の化学的・物理的な状態が少しずつ変化することで、私たちが見る色も変わっていくのです。
屋外の木材がシルバーグレーになるのはなぜ?
ウッドデッキやフェンスなど、屋外で使われる木材では、時間が経つと表面が灰色がかった色になることがあります。
特にレッドシダーは、屋外で無塗装のまま使用すると、もともとの赤みや褐色が徐々に薄れ、シルバーグレーへと変化していきます。
これは、先ほど説明した木材表面の成分の変化に加えて、雨や風による表面の風化などが重なることで起こります。
こうして生まれるシルバーグレーは、屋外環境の中で木材が時間をかけて変化した結果です。
この色の変化だけで、木材そのものが腐ったり、使えなくなったりしたことを意味するわけではありません。
シルバーグレーになった木材には、塗装した木材とはまた違った、落ち着いた自然な風合いがあります。
「経年変化」と「劣化」は同じではない
木材の変化について考えるとき、注意したいのが「経年変化」と「劣化」は同じではないということです。
例えば、色が変わった、表面が少しグレーになったというだけで、木材が使えなくなったわけではありません。
- 腐朽が進んでいる
- 木材が大きく割れている
- 部材が著しく痩せている
- 固定部分が傷んでいる
- 強度に影響するような損傷がある
といった場合には、単なる色や風合いの変化とは別に考える必要があります。
見た目が変わったことと、木材の機能が失われたことは別の問題です。
木材を長く使うためには、色や表情の変化を楽しみながら、必要なメンテナンスや状態確認を行うことが大切です。
経年変化は樹種や環境によって違う
木材の経年変化は、すべての樹種で同じように起こるわけではありません。
樹種によって色や含まれる成分が異なるため、時間が経ったときの色合いや変化の仕方も異なります。
- 屋内か屋外か
- 日当たりがよいか
- 雨が当たるか
- 湿度が高いか
- 塗装をしているか
- どのようなメンテナンスをしているか
といった環境によっても変化は大きく変わります。
同じ木材でも、設置場所によって色の変化に差が出ることもあります。
これも天然木ならではの特徴のひとつです。
レッドシダーの経年変化
レッドシダーは、赤褐色から淡い褐色まで、もともと幅のある色合いを持つ木材です。
屋内では、光や時間の経過によって色味が少しずつ落ち着き、深みのある表情へ変化していきます。
屋外で無塗装のレッドシダーは、紫外線や雨などの影響を受けることで、表面が徐々にシルバーグレーへと変化していきます。
この変化を「色あせ」と捉えることもできますが、天然木が屋外環境の影響を受けながら生まれる、独特の風合いともいえます。
レッドシダーでは、こうしたシルバーグレーの色合いを活かして、塗装をせずに使用するケースもあります。
しかし、屋外で木材を使用する場合、経年変化による色の変化を抑えたいという方もいるでしょう。
塗装する場合と無塗装で使用する場合、それぞれの特徴や考え方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:レッドシダーに塗装は必要?経年変化と上手に付き合うための考え方
経年変化を楽しむために
天然木は、時間とともに変化していく素材です。
色が変わったからといって、すぐに「劣化した」と考えるのではなく、まずはどのような変化が起きているのかを知ることが大切です。
そのうえで、自然な色の変化として楽しむのか、塗装などによって色を維持するのか。使う場所や目的に合わせて、木材との付き合い方を考えることができます。
まとめ
木材は、光や空気、湿度などの影響を受けながら、時間とともに色や艶、質感などが変化します。
これが「経年変化」です。
室内では色が落ち着いたり艶が出たり、屋外ではレッドシダーのようにシルバーグレーへ変化したりと、その表情は使用環境によってさまざまです。
色の変化などの経年変化と、腐朽や大きな割れなどの劣化は分けて考える必要があります。
天然木は、時間とともに変化する素材です。
その変化も含めて、木の表情を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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